看護師が転職活動前にやるべきこと

「転職しようかな…」と思い始めてから、なんとなく求人情報を探し始めてなんとなく応募し、あれよあれよと次の病院へ転職してしまう看護師をたまに見かけます。そこまでではなくとも、事前準備を十分に行わないまま、転職活動を始めてしまう看護師は実に多いです。しかし、自分のキャリアプランやライフスタイルにマッチした、納得できる転職をするためには、具体的な転職活動を始める前に事前準備をしっかり行う事が非常に大切です。

転職は今後の人生に大きな影響を与える非常に重要なイベントです。特に今回がはじめての転職の場合は、今後の看護師キャリアの方向性を決めるきっかけにもなりうるので、慎重に進めるべきです。
昨今の高齢化によって医療・福祉業界は常に看護師不足の状況にあるため、普通に転職活動をしていれば、内定がゼロということはまずないでしょう。しかし、売り手市場で進む転職活動は転職希望者に気の緩みが生じやすいため、就業後のミスマッチも起こりやすいのです。
看護師として後悔のない転職をするためにも、「なぜ転職をする必要があるのか」「どのような条件で働きたいのか」「いつ転職をするべきなのか」など、自分が望む看護師キャリアについて、じっくり考えることはとても重要です。

ここでは看護師がはじめての転職活動を始める前にやるべき事についてお話します。ここでしっかり自分の考えをまとめておけば、転職活動をスピーディーに進めることもできるので、面倒くさがらずしっかりやっておきましょう。

「転職する」という覚悟を決める

転職をすると決めた時、まず一番最初にしなければいけないことがあります。それは「『転職をする』ということの覚悟を決める」ことです。

看護師の転職で内定が貰えないということは基本的にないですが、かといって自分の第一希望の勤務先で必ず働けるという保証もありません。面接の手ごたえがあったはずの病院に落ちてしまって、落ち込むこともあるかもしれません。そんな時に、仕事中に先輩・上司に褒められたり、同僚に励まされたりすると、「ずっとこの病院にいようかな…」と、転職の決心が鈍ることもあるでしょう。
しかし、そこで気持ちが揺れていては、転職活動に気を入れて取り組むことができず、望まない転職をしてしまう可能性が大きくなります。中途半端な看護師キャリアを積まないためにも、最初に「何が何でも転職活動をやりきる！」という強い覚悟を持つことが大切です。
また、仕事をしながらの転職活動は、体力的にも厳しくなることを知っておくべきです。

最初から完璧にこなそうと思わない

次の項から看護師が転職活動前にやるべきことを、各項目毎にもう少し詳しくお話していきますが、それぞれの項目を最初から完璧にこなそうとは思わないことも大切です。

転職活動に慣れている看護師なんていませんし、特にはじめての転職の場合、わからないことの方が圧倒的に多いはずです。そもそも自分に経験・知識がない状態で自力で考えても、正しい答えなど出るはずがありません。そんな時は、わからない部分を一度後回しにして先に進んでみることが大切です。そうすることによって転職活動のヒントが得られ、わからない部分がクリアになったりします。

例えば、ある程度まで自己分析が進んだら、看護師転職サイトに登録して求人情報に目を通して見るのも有効的です。いくつか求人情報を見ていくと、直感的に「この求人は良さそう」「この病院では働きたくない」と思ったりすることがあります。最初は理由はわからないのですが、そこで「なぜ自分はこの求人が気に入ったのだろう」と考えていくと、自分が仕事に求めているものが明らかになったりして、自己分析が進んだりします。単純に「へー、看護師にこんな仕事があったんだ。」と選択肢の幅が広がるきっかけにもなります。

また、看護師転職サイトのエージェントに会って転職の相談に乗ってもらうと、自分だけでは得ることができなかった転職情報を得られることが多いです。その情報も自分のキャリアプランを構想する上での判断材料になるので、一度エージェントに会ってみるのもオススメです。

自分の頭の中だけで考えていても情報に偏りがあるため、完成度の高い自己分析をすることは難しいです。最悪、視野が狭まったりして、無意識のうちに不幸な選択をしてしまう可能性もあります。自己分析は最初は完璧を求めず骨組みだけ作り、徐々に肉付けしていくイメージで十分です。

転職活動前にやっておくべき3つのこと

ここからは、看護師がはじめての転職活動を始める前にやっておくべき3つのことについて、各項目ごとに少し詳しく解説をしていきます。自分が看護師を目指すきっかけになった理由などを棚卸する必要があるので、場合によっては十数年前まで記憶を辿る必要があるかもしれません。
しかし、この3点を整理しておかないと、面接でしっかりした受け答えができなかったり、自分の望む働き方が曖昧になったりして、納得のいく転職結果をもたらすことができません。不本意な転職をしないためにも、しっかりと自分と向きあう時間をとって、要点を整理しておきましょう。