認定看護師がはじめて転職する方法
認定看護師（CN：Certified Nurse）とは、日本看護協会が実施する認定看護師認定審査に合格した看護師のことをいいます。1997年に制度が制定され、2013年初めの時点での認定看護師数は1万人を超えています。認定看護師は、ある特定の看護分野においての熟練した看護技術・知識を有しており、高水準の看護活動ができる必要があります。
認定看護師には、看護現場で下記の3つを果たすことが定められており、看護ケアの質の向上と、それを広く普及させることが求められます。
- 実践：個人、家族、集団に、熟練の看護技術をもって高水準の看護ケアを行う。
- 指導：看護の実践を通して、看護職者への指導を行う。
- 相談：看護職者に対してのコンサルテーションを行う。
認定看護の分野には次の21分野があります。
≪特定されている認定看護分野≫
救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、がん性疼痛看護、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護
認定看護師になるには
日本看護協会が実施する認定看護師認定審査を受けるためには、次の3つの条件を見たしている必要があります。
- 日本国の看護師免許を免許を有すること。
- 実務研修期間が5年以上あること（うち3年以上は認定看護分野の実務研修）。
- 認定看護師教育課程（6か月・615時間以上）を修了していること。
3の認定看護師教育課程を修了するためには、日本看護協会によって定められた教育機関において、認定看護分野の専門教育を受ける必要があります。
認定看護師認定審査は毎年1回、日本看護協会が実施します。試験内容は下記の通りです。
■筆記試験（マークシート方式・四肢択一）120分
・問題1.客観式一般問題：20問（50点）
・問題2.客観式状況設定問題：20問（100点）
認定を受けた後も5年毎の更新が必要となります。更新するためには、看護実践時間が2000時間以上あり、かつ自己研鑽実績が50点以上あることが条件です。厳しい条件ではありますが、この更新義務があるからこそ、認定看護師の質、ひいては転職市場での価値が保たれているのです。
認定看護師が納得して転職するためには
認定看護師の転職市場での価値というのは、近年非常に高まってきています。医療技術の高度・専門化や多様化がすすむ現在では、病院側も高い技術や知識を有している人材を求める傾向が強まっているのです。
また、認定看護師資格者がいれば、病院側も信頼性をアピールできて患者を集めやすいというのも、認定看護師の需要が高い理由です。
実際の認定看護師の転職者の声を聞いても、「給料が上がった」「役職が上がった」などの声が多い事から、認定看護師が転職市場において評価が高いことが伺えます。
しかし一方では、その待遇差も病院によってはまちまちであることもあるようです。資格手当がつくため一般看護師と同じということはさすがにないようですが、その差は月数千円といったケースもあると聞きます。また、仕事内容においても、病院ごとで認定看護師の枠数に決まりがあり、一般看護師と同じ仕事をまかされる場合もあるようです。せっかくお金と時間をかけて資格をとっても、これではなんだか納得いきませんよね。
資格手当がいくらかというのは求人情報にのっているのかもしれませんが、その後昇進できるかといったことや、与えられる仕事がどんなものかという点は、求人情報からは読み取ることができません。ましてやはじめての転職であればほぼ不可能でしょう。
そんなときは看護師転職サイトを利用した方が確実です。看護師転職サイトのエージェントは病院内の内部情報をもっていますので、転職後に認定看護師として有利に働ける求人案件を提案してくれます。せっかくお金と時間をかけて認定看護師になったのですから、自分が納得して転職する方法を利用しましょう！
これから認定看護師になろうとする方も
今は認定看護師ではないけれど、今後認定看護師を取得したいという方も、今回の転職時にすでにそのことを考慮する必要があります。
前述のように、認定看護師認定審査を受けるためには、教育機関において6ヵ月の教育を受ける必要があります。看護師として働きながら勉強するのはまず無理です。通常であれば、病院を辞めるなり、最低でも休職をせざるを得ません。
しかし、中には看護師のスキルアップをバックアップしてくれる病院もあります。学校に行きながらでも働けるようなスケジュールを作ってくれたり、中には資金援助をしてくれる病院もあります。認定看護師資格の取得がまだ先の事であっても、今のうちからスキルアップに理解のある病院を選んでおく必要があります。
看護師転職サイトのエージェントは病院のスキルップ体制の概要に加えて、実際にその制度を利用している看護師の数やその実績情報についても保有しています。看護師転職サイトを利用して、今のうちから資格取得に有利な環境を整えましょう！
