企業看護師・産業保健師への転職に必要なこと
企業看護師・産業保健師になるためには、看護師や保健師の資格以外に必要な資格はありません。
ただし、“企業のいち社員”として勤務することになるため、病院への転職とはまた違った要素が、企業看護師・産業保健師へ転職する方法には必要です。
ポイントを挙げますので頭に入れておくようにしましょう。
- ある程度の総合的な看護スキル。
- パソコンなどの一般的なビジネススキル、マナー。
- 社内外とのコミュニケーションスキル。
- 企業に対しての理解。
- 転職理由・志望動機・自己PRの準備。
企業看護師・産業保健師は一人もしくは少人数で、すべての従業員の看護が出来る必要があります。そのため、いかなる場合にも最低限は対応できる看護技術・知識が必要になってきます。
また、当然看護研修なども社内では行っていないため、採用の時点である程度の経験・スキルが求められます。求人案件によっては「准看護師不可」「病院勤務経験○年以上」という条件がある場合もあります。
企業看護師・産業保健師は患者の看護ももちろん行いますが、従業員の病気予防や、健康状態のデータをまとめて広報とやりとりをしたりするため、PCや事務処理などの一般的なビジネススキルも要求されます。場合によっては社外とのやりとりも発生しますので、ビジネスマナーを身につけていることも大切です。
従業員とのコミュニケーションはもちろん、社内部署や社外機関と一緒に仕事をすることも増えますので、円滑に物事を進めるためのコミュニケーションスキルも大切です。一般企業と病院では、コミュニケーションで大切なポイントも若干ことなるので予め注意してください。
求人倍率が高く、専門的な看護を行わない企業看護師・産業保健師の転職では、看護スキルよりも、「ウチの会社にマッチしているか」を重視して、面接官は採用を行います。ですので、会社がどんな事業をしているかはもちろん、どのような企業理念をもって、今後どのような事業展開をしようとしているのか調べておく必要があります。それを踏まえた上で志望動機や自己PRができると、他の応募者との差別化が図れます。
企業看護師・産業保健師は看護師・保健師とはいえ、一つの企業への転職と同じですから、病院への転職よりも入念な下準備が必要になります。職務経歴書の作成やそのあとの面接においても、転職理由や志望動機を一貫性をもってアピールできなければなりません。面接も病院の転職の場合より、より改まった形式になります。服装や身だしなみに気をつけて、ハキハキと答えるようにします。
また、企業によっては筆記試験を課す場合もあるので、予め調べておきましょう。
企業看護師・産業保健師の転職求人は見つけにくい
病院の求人案件は非常に多く簡単に見つけることができるのですが、企業看護師・産業保健師の転職求人は見つけるのにまず苦労します。
理由は2つあり、まず1つは求人案件数自体が少ないからです。企業看護師・産業保健師の求人は基本的には欠員補充の形となるため、病院看護師のように人事流動性が高くありません。退職率も低いため、募集枠がでないのです。
もう1つは、看護師の人気の勤務先であるため、求人雑誌やサイトに掲載されないのです。企業看護師・産業保健師の募集を始めるとあっという間に応募者が殺到していまい、担当者が対応しきれなくなります。また、企業の採用担当も看護の知識がないため、完全に企業内だけで採用を完結しようとはしません。
では、どこで企業看護師・産業保健師の転職求人案件が見つけられるかというと、基本的には看護師転職サイトの非公開求人として、エージェントから紹介を待つかたちになります。
企業看護師・産業保健師に転職する方法
前述のように企業看護師・産業保健師へ転職する方法のポイントは、病院などそれとは異なる点があり、事前準備や情報収集が非常に重要です。また、求人案件を見つけるにしても案件数自体が少なく求人サイト・求人雑誌の公開求人では見つけることが困難です。
決まった時期に応募があるわけではないため、複数の看護師転職サイトに登録をしておいて、エージェントからの提案を待つのがおすすめです。エージェントからの提案であれば、応募書類の書き方や面接のコツなど、病院への転職とは異なった点へのアドバイスもしてくれるので、企業看護師・産業保健師に転職する方法としては非常に賢い方法だといえます。
